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眠い



最近とにかく眠い。

朝起きてまず思うことが眠い。目が覚めていない。

労働中もとにかく眠い。なんとなく体を動かしていれば目が覚めるのが相場のはずなのに、ずーっと眠い。


夕方、お腹が空いたのでスーパーでご飯を買う。

労働後で空腹なのだが、満腹になると更に眠くなるので、ヨーグルトとか麦茶とか、なるべく軽めのものを買って食べるも、結局眠い。

コーヒーもエナジードリンクも激辛ラーメンも、何を摂取しても眠い。


お店のオープン中も眠い。

「来客があったらちゃんと対応できないだろ、しっかりしろ。」と自分を鼓舞し、顔を洗ったり、歯を磨いたり、靴を履き替えたり、スクワットをしたり、いろいろやってみるが、眠い。

幸運なことに今日も誰も来なかった。


決して夜更かししているわけではない。夜もちゃんと眠い。

普通に眠くなって0時には寝ている。

昼寝も含めるとおそらく1日に10時間くらい寝ているのではないだろうか。

アインシュタインや、ノーベル物理学賞を受賞した小柴さんはロングスリーパーだったらしい。何も励みにならない。

俺はただのよく寝るアホだ。


いよいよ生活が「眠い」に支配されてきたので、病院に行った。

その医者曰く、「あなたの脳は常に高速回転しています。要は何もしていないようで気が張り続けて疲れているのです。とはいえ眠れることは良いことです。」

「一応」と前置きはあったが、薬も処方された。

「ほぉ、これが目が覚める薬か。」と説明欄に目をやると、「不安な時に飲む」とある。副作用には「眠気」とも書いてあった。

俺は不安なのではなく眠いのだとあれほど言ったのに。


もし「デートするなら何したい?」と聞かれたら俺は「一緒に昼寝したい」と答えたい。性的な意味は一切ない(多分多少ある)。

実際は空気を読んで「一緒に服を買いに行きたい」とか「ドトールでおしゃべりしたい」とか、ランキング上位かつ当たり障りのないものを言う。

だが、本音としては、自分の家か相手の家か旅先なのかはわからないが、ラジオをつけっぱなしで、14時くらいから17時くらいまで、ちょっと長めの昼寝をしたい。そして散歩に行きたい。

「いびきかいてたよ」とか言って。


そんな下らないことばかり考えるくらいに、最近とにかく眠い。

やる気はある、そこは信じてほしい。


テキスト・イラスト:阿部隆太

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